成長企業のオフィス戦略

アシアル株式会社

スローな時間の中で最先端を生み出す

アシアル株式会社
代表取締役 田中 正裕 氏
メディア事業部教育マネージャー 海原 才人 氏
東京都文京区本郷3-38-1 本郷イシワタビル7階

オープンソースであるPHP 言語に特化したテクノロジーベンチャー。PHPプログラマーズマガジンやPHPプロ!など、PHP開発者のための情報発信を行っている。また、HTML2PDF.BIZやJSChartといった商用WebサービスAPIを世界に向けて展開中。

今回取材にお伺いしたアシアルさんがオフィスを構える本郷三丁目は東大のお膝元。大江戸線の本郷三丁目駅前は予備校があったり学生向けと思われる定食屋さんがあったり街行く人も学生さんが多く、若者の活気と落ち着いた雰囲気が流れています。本郷通りと春日通の交差点に位置するこのエリアは後楽園や上野、秋葉原からも程近く便利なばかりか、街中を歩いてみると坂や歴史的建造物が多くその息吹を感じることもできる素敵な街。

日本のシリコンバレーで

創業について教えてください。

アシアルの創業は2002年7月です。僕が東京大学在学中の3年生の時です。創業時は東京の下宿で、ひとりで事業を始めたわけですが、その頃の日本ではPHP言語は今ほどメジャーなものではなく、どちらかというとPerl言語やJava言語がメジャーな時代でした。しかしアメリカではYahoo!がPHP言語を全面採用するというのが話題になったりする中で、日本でもPHP言語に可能性があるのではないかと思ったことが、アシアル創業のきっかけです。最初の頃は、アメリカのPHP専門誌を翻訳して日本語で出版するという所から始めました。大学卒業まではオフィスを借りずに、ずっと下宿先や学校の授業中に仕事をしたんですよ。

最初のオフィスは?

東京大学を卒業する頃、本郷三丁目で初めてのオフィスを借りました。そのオフィスでは4名ほどの仲間で、PHPの雑誌だけでなくソフトウェア開発、教育、システム構築などPHP開発者に必要とされるサービスに特化して事業展開を行っていました。そのオフィスからスタートして、今回の移転で4つ目のオフィスになりますが、その間ずっと本郷三丁目を転々としています。

本郷にこだわりがあるんですね。

本郷三丁目にこだわるのは、もともと僕が東京大学出身ということもありますが、弊社の事業形態が研究開発メインであり、社員のほとんどが技術者ということもあって、学術的で時間がゆったり流れているような本郷三丁目の雰囲気が弊社にあっていると考えるからです。僕自身がアメリカに住んでいて憧れていることもあり、シリコンバレーの雰囲気など参考にしているということもあります。シリコンバレーは世界に名だたるIT企業の多くが集積していて、ITの最先端といわれているエリアなのですが、実際に流れている空気自体はゆっくりなんです。スローな時間だからこそ、最先端の技術に興味をもつベンチャーが育つ環境が生まれたのだと思っています。僕たちもゆったりと時間の流れるこの本郷の地でじっくりと研究や開発に取り組み、世界に負けないようなサービスを作っていこうと思っています。
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春日通りから入ったところにあるのがアシアルさんがオフィスを構える本郷イシワタビルです。ビルの周辺には歴史を感じる古い建物がちらほらあったりしてゆったりとした時間が流れているような環境です。オフィス内は白とオレンジですっきりとまとめられている清潔感のあるオフィスです。ミーティングスペース(右写真)も閉塞感なく明るい雰囲気です。

学生ノリで熱く

オフィス選びのポイントは?

こちらのビルに決めたポイントは太陽光が沢山オフィス内に取り入れられるのがいいなと思ったのと、広さが十分だったことです。ビルの外観よりも、室内の環境がいい場所をと考えていました。それと先ほども話しましたが、本郷という場所にはこだわりました。また、皆が近所に住んでいるというのもあります。自転車や徒歩で通勤できる環境を実現できる場所でもあるんです。

オフィス作りのポイントは?

技術者がほとんどの会社ですので、できるだけ技術者に心地よい環境になるよう、みんなで意見を出し合いオープンな状態でオフィス作りを進めました。この会社をみんなが自分たちの家だと思えるぐらい居心地のいい場所にしたい。みんなの意見を取り入れてまとめるのは大変でしたが、その分「これが自分たちのオフィスだ」という実感を共有できた気がします。会社で一緒に働く人達を社員と呼ぶのではなく、仲間と捉えて団結力を大切にしています。イメージとしては学生時代のサークルみたいな(笑)。学生ノリというとイメージが悪い気がしますが、グーグルが世界一の検索エンジンを作りたいという学生の想いで大きくなったように、ちょっと挑戦してみようかというところに熱くなれる。現在のグーグルがそういう雰囲気をオフィスで大切にしているように、僕たちもそれを大切にしています。

今後の御社の戦略を教えてください。

次はシリコンバレーにオフィスを持ちたいなという気持ちがあります。みんなでとりあえず航空券持って「いくぞー」というノリで(笑)。そのノリでシリコンバレーに行って、「何とかなってるね」と言っている自分たちが3年後ぐらいにいて欲しいなと思います。
インターネット上での日本人の発言力がどんどん低下している現在、僕たちの技術やWebサービスをアメリカ(≒全世界)に発信していけるような会社にしたい。日本のプログラミング力が決してアメリカに劣っているわけではない、むしろ細かい所まで作りこむ能力、感性や文化に訴えるようなソフトウェアを作る能力は日本人にしかできない事だと思います。日本で一番になるのもいいと思いますが、どうせ勝負するなら世界ですよね!だから次のオフィスはシリコンバレーにします(笑)。長期的な話に聞こえつつ、案外短期的な話になるかもしれませんが、今から少しずつ足がかりを作っていければと思います。

最後に東京オフィスコンサルティングに一言お願いします。

そこまでしてくれるかと思いましたね(笑)。人のニーズって自分でも理解していないところにあって、そういうところをうまく掬い取ってくれるんですよね、黒田さん(オフィスコンサルタント)。自分たちの奥底にある言葉にできないような欲求をご提案していただけるのがすばらしかった。ありがとうございました!
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窓が大きいのでオフィス内はとても明るく開放感があります。みなさんのデスクの中心に置かれたパキラは地球温暖化防止活動の一環!(とアシアルさんの社員ブログに書いてありました)。明るい光が差し込むオフィスですくすくと育っているようです。社員のみなさんも和気藹々とした雰囲気。

こちらのコラムは東京オフィスコンサルティングの山下が担当いたします。
今回、取材にお伺いして本郷三丁目は東大!ということで、赤門が見たくてしばらく本郷三丁目付近をうろうろしてしまいました。案の定、方向音痴のため辿り着けませんでしたが「学問の杜」な雰囲気は十分に感じることができよかったです。お話をお伺いした田中社長、海原マネージャーともに非常に気さくな方でインタビュー中も和気藹々とした雰囲気でお話をお伺いすることができました。執務室にも案内していただき、社内の雰囲気も良い意味で「学生ノリ」な明るさとノビノビした雰囲気を感じることができ、この雰囲気のままで是非アメリカ進出していただきたい!と思いました。

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